2003年、スリランカ地雷除去プロジェクト調査中(2)

提携相手の変更について
添付文書:Mine Free Planet組織紹介

1.4/3(木)午後、FSDの地雷除去訓練コース修了式出席とVanuniya事務所共同使用方法を現地でMr.Hebeisenと話し合うため、FSDの車でVavuniyaに向かった。道中、Mr.HebeisenとMOU原案について話し合った。Mr.Hebeisenは、FSD地雷除去専門家の給料半分などの財源の確保(ドナーを見つけること)はFSDとして困難であること
を繰り返し主張し、JCCPに全額負担を暗に要求してきた。小職は「それでは共同プロジェクトではなくJCCPの単独プロジェクトと同じである」と言って彼の要求を退けた。

Mr.Hebeisenは「JCCPは地雷除去の経験が無いのだからそれくらいするのは当然である。JCCPが単独でできるのであれば経験豊富な地雷除去専門家をどこかからリク
ルートして独自のプロジェクトをやればよい」と言って強気の態度を崩さなかった。
一時険悪な雰囲気になり万策尽きた観に見えたが、小職がデンマークの地雷除去NGOであるDDGとJCCPとの提携の可能性について示唆するとMr.Hebeisenは急に態度を軟化させ、「DDGと提携したければご自由に」と口では言いながら「DDGと提携されては、機材も資金も得られなくなるので困る」という意図が明らかであった。

とりあえず、
FSD地雷除去専門家の給料半分、プロジェクト運営費などの財源の確保(ドナーを見つけること)は、FSD本部で何か対策を準備しているかもしれないので、それをMr.HebeisenがFSD本部に確認することで、話をVanuniya事務所共同使用方法に移行させた。


2.FSDのVavuniya事務所は機材格納庫にスペースの余裕が無いので、JCCP/FSD共同プロジェクト用の格納庫を確保する必要がある。

この問題の対策としては、FSDの地雷除去訓練コース修了式で知り合いになったMannar地区のGA代理人が「もしJCCPがMannarで事務所を開設したいのであればGA代理人が場所を提供する」と言ってくれて
いるので機材格納庫をMannarに開設することが考えられる。

近日中にMr.Hebeisenと小職がMannarのGA代理人を訪ねて機材格納庫を確保するための交渉をすることで同意した。


3.FSDのVavuniya事務所2階の地雷除去専門家宿泊施設は、6つの個室(インターネット接続可能)とサロン(テレビ、ソファー、冷蔵庫あり)、トイレ(洋式に改造)、調理場、洗面所(洗濯機あり)、洗濯物乾燥室から成り、FSDに雇われた常勤の家政婦が食事の準備、掃除、洗濯をすべて実施する体勢になっているが、日本人
の入るスペースは無い。JCCPスタッフの宿泊施設は独自に準備しなければならない。

4.最近発足したシンハラ人初の地雷除去NGO:Mine Free Planet(以下、MFPと略す)がスリランカ陸軍・政府の全面的支援を受け、地雷除去活動を7月頃からVavuniyaとAnuradapuraの間にあるAncient Forest Monastery(仏教の聖地)付近で開始するらしい。


5.JCCPにプロジェクト経費全額負担を強いるFSDと組むより、MFPと組んだ方が下記の点で望ましいと考えるに至った。


(1)MFPの代表はDASAという繊維系会社グループを一代で築いた創設者の次男で、自らプラスティック製品製造会社の社長でもある。陸軍と取引があり(なんと指向性対人地雷などを製造し納入している)相当の資金力がある。


(2)スリランカ陸軍の上層部と強力なコネがあり、陸軍が実施する不発弾処理コースにJCCPスタッフが参加することも可能(要:通訳)


(3)陸軍からの情報収集が容易で、取り組み易い地雷除去地区をJCCPが確実に確保することができる。


(4)経験豊富な英国人地雷除去専門家が5月頃から月給5000米ドルで地雷除去プロジェクト全般の指導にあたる。


(5)ドイツから取り寄せた地雷探知犬の飼育をスリランカですでに始めている。ドイツ人調教師とともに・・・


(6)今年度のプロジェクト予算はすでに確保しており、JCCPが準備すべきものは4WD車その他などである。(一年目のプロジェクトに関して)


(7)MFPの代表は9年間イギリス留学した経験から白人が嫌いであり、アジアの地雷除去NGOが世界で活躍することを願っている。(スリランカの後はイラクに展開)


(8)スリランカにおいてもHALO Trust, MAG, NPA, DDGが現在の地雷除去地区を完了し、スリランカから撤退させた後、MFPと提携しているJCCPのみスリランカでの地雷除去活動が継続しノウハウを蓄積できる。


(9)スリランカ国防省を始め政府機関と強いコネを持つのでJCCPが無税の地雷除去団体として認知させることも比較的容易である。


(10) 在スリランカ代表事務所から徒歩10分くらいのところにMFPの地雷除去プロジェクト用事務所があるので相互の連絡調整が容易である。

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